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自由
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救急車の音が嫌い。
でもうちは病院の近くなので、しょっちゅう聞こえる。
たまに幻聴なのかよくわからなくなる。




悪を悪として断罪できる人たちがうらやましいな。
「早く死刑にしろ」とか、ワイドショー見て「怖いねー」とか
「今の世の中どうかしてるね」とか。
そういう話題を振られるといつも顔が歪んでしまう。
別にそういう話がよくないってわけじゃないけど・・・。
自分の気持ちを説明できない。

ある殺人事件のニュースで
ワイドショーが犯人の小学生のときの文集引っ張り出して来て
もうそういう演出もいい加減にしてくれと思うんだけど、
リモコン探したけどテレビ消すの間に合わなくて
その文集に
「お母さんが死んだ時、僕は3日間ずっと泣き続けました」って書いてあって
お母さんが願いを込めてつけた名前がテレビに
こいつ、このバカ、なんのために産まれて来たんだろうって思ったら
四つん這いになって吐くように泣いた。
だからって私が優しいだなんて思ったら冗談じゃないよ。
こんなやつ
近くにいたなら私がぶっ殺してやるよ。
うんと酷くやってやるよ。
だってもうこんな奴のこと、考えるのめんどくさいもん。
こんな悲しい奴のこと。

人の体の中には誰にでも、同じ量の光と闇がある。
善と悪なんかない。
それは人間が作った国境と同じ、透明な線。
鳥はその線を通り抜けて行く。
花はそれをまたいで咲く。
正しく裁いてくれる神様なんて居ない。
人間を裁くのは地球上で人間だけ。
自分の中の闇に気付かない人たちは他人を断罪できる。
彼らは裁判官に志願する。
正義の味方になるために。
私もそんな風に産まれたかった。
いつも嫉妬で一杯になる。

でも
私は自分の中の闇を知らないで生きられた幸せな人たちよりも
闇を知っている友達たちが好きだよ。
その人たちはしあわせではないかもしれないけど
しあわせな人たちよりも優しさを持ってるから。
私の醜さや弱さに、たき火にあたるようにそっと寄り添う
愛しい友達たちよ。


ひとりでもいいから分かってくれる人がいたらよかったのにね。
私はずっとそのことを描いてるんだよ。
自分の中の闇を知っている私は
描かなきゃいけない運命なのかもね。
分かって欲しい。分かって欲しくていつも狂いそうだよ。
だから人殺しより、みんな漫画家になりゃいいよ。
別に音楽家でも、格闘家でも、お笑い芸人でもいいけどさ。
分かってもらえなかったら分かってもらえるまで描くんだよ。
分かってくれない奴らのせいにしたら売れっ子にはなれないんだぜ。


愛する君よ
自分の人生が上手くいかないのは
絶対に自分のせいなんだよ。
そしてそれはラッキーなことなんだよ。
だってもし他人のせいで自分が不幸になっているんだとしたら
他人を変えることはとっても難しい。
自分が被害者だと思っている人間にとって
「権利」は与えてもらわないと得られないもの。
だから一生他人に左右される人生。
でも一度すべてが自分のせいだと思えたなら
「自分」は自分で変えられる。
本気で思ったら変えられる。
もちろん並大抵のことじゃないけど。
私だって百万回挫折してる最中だけど。

そのことを知って欲しい。
今まで私は何もできなかった。
言葉は全部跳ね返って地面に落ちた。
いつも胸が張り裂けそうだった。
それでもまだ、
届いて欲しいと思ってる。
絶対に無理だってことももう分かってるけど。
それでも届いて欲しいと思うことはやめられないと思う。




虹の上も地獄の底も歩いて行こう。
花みたいに、鳥みたいに。
透明な線を飛び越えて。

もしもどこかで出会えたなら
また一緒に踊ろうね。










6月に書いた日記より転載。
また来年。
愛を込めて。
by c-mabataki | 2008-12-31 00:53 | IXY DIGITAL30
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